ED治療薬「バイアグラ」の成分
バイアグラ錠、バイアグラODフィルムの成分は以下の通り。
有効成分 | バイアグラ錠25mg:シルデナフィルクエン酸塩35.12mg(シルデナフィルとして25mg) バイアグラ錠50mg:シルデナフィルクエン酸塩70.23mg(シルデナフィルとして50mg) |
添加剤 | 結晶セルロース、無水リン酸水素カルシウム、クロスカルメロースナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、乳糖水和物、酸化チタン、トリアセチン、青色2号 |
有効成分 | バイアグラODフィルム25mg:シルデナフィルクエン酸塩35.12mg(シルデナフィルとして25mg) バイアグラODフィルム50mg:シルデナフィルクエン酸塩70.23mg(シルデナフィルとして50mg) |
添加剤 | クロスポビドン、スクラロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、ポビドン、ポリビニルアルコール・ポリエチレングリコール・グラフトコポリマー、マクロゴール400、酸化チタン、三二酸化鉄、lメントール |
男性勃起不全(ED=Erectile Dysfunction)の治療薬バイアグラには「錠剤」、舌の上に乗せ唾液か水で飲み込むタイプの「ODフィルム」の2つがあるが、いずれも有効成分はシルデナフィル。シルデナフィルクエン酸塩の中に含有されている。
バイアグラに含まれるシルデナフィルは、人間の体内にある勃起を抑制する酵素(5-ホスホジエステラーゼ:PDE-5)の働きを阻害する成分。性的刺激による勃起を補助する薬となっている。
日本で認可されているバイアグラのシルデナフィルの含有量は、25mgと50mgのみ。海外では100mgの製品も認可されているが、国内では未承認。
有効成分以外に錠剤のかさ増しとして賦形剤、錠剤に固めるための結合剤など複数の添加剤が含まれる。錠剤と形状の異なるODフィルムの添加剤の内容は錠剤と違いがあるものの、効果に差が出ることはない。
バイアグラの錠剤の外形は青色のひし形で中は白の粉末、ODフィルムはピンク色のフィルムとなっている。
バイアグラの国内・国外ジェネリック
バイアグラには国内で認可されているジェネリックが多数存在している。
製薬会社 | 製品名 |
東和薬品 | シルデナフィル OD錠 50mg VI「トーワ」 |
キッセイ薬品工業 | シルデナフィル錠 25mg VI「キッセイ」 シルデナフィル錠 50mg VI「キッセイ」 |
あすか製薬 | シルデナフィル錠 50mg VI「あすか」 |
富士化学工業 | シルデナフィル錠 25mg VI「FCI」 シルデナフィル錠 50mg VI「FCI」 |
大興製薬 | シルデナフィル錠 25mg VI「DK」 シルデナフィル錠 50mg VI「DK」 |
シオノケミカル | シルデナフィル錠 25mg VI「SN」 シルデナフィル錠 50mg VI「SN」 |
辰巳化学 | シルデナフィル錠 25mg VI「TCK」 シルデナフィル錠 50mg VI「TCK」 |
武田テバファーマ | シルデナフィル錠 25mg VI「テバ」 シルデナフィル錠 50mg VI「テバ」 |
先発ED治療薬バイアグラの特許期間は最終的に2014年5月13日に満了。
その後、2014年5月26日に国内初のバイアグラのジェネリックが東和薬品株式会社から発売開始された。それ以来も相次いで製薬会社がバイアグラジェネリックを製造販売している。
ほとんどのバイアグラジェネリックは先発の錠剤と同じく水で飲むタイプとなっているが、いち早く登場した東和薬品のジェネリックは水なしでも服用可能。
バイアグラの先発とジェネリックの安全性や信頼性については同じと言える。先発の特許期間中に効果や安全性が十分に確認されており、同じ有効成分のシルデナフィルが使用されていること、国の承認を受けていることがその理由だ。
個人輸入で購入できる海外製のバイアグラジェネリックで多く出回っているものにカマグラがある。インドのアジャンタ・ファーマ社が製造販売しているジェネリックであるが、日本では未承認。
国内承認済みの医薬品であれば、万が一健康被害が生じた時に治療の一部を救済してくれる医薬品副作用被害救済制度(参照:Pmda 独立行政法人医薬品医療機器総合機構資料)
)が適用される。ただしカマグラは対象外となるため、個人輸入でバイアグラジェネリックを購入するのはおすすめできない。
バイアグラの作用と副作用
PDE5 阻害作用のある勃起不全治療薬のバイアグラの副作用で多い症状は次の通り。
副作用の症状 | 発言症例率 |
ほてり | 10.19% |
高血圧 | 1.27% |
潮紅 | 1.89% |
頭痛 | 12.74% |
昏迷 | 1.91% |
上記の他にも動悸やめまい、消化不良など様々な副作用があるため、一通り確認しておくと良いだろう。
副作用は薬の効き始めを表す合図にもなっている。バイアグラ服用後30~40分くらいで効果が出始めるが、顔のほてりなどの副作用が出てきたら薬の効果を感じることができるだろう。
副作用は一過性のものであるため、薬の効き目がなくなる服用後4~5時間後には副作用も軽減されるため、過度の心配は無用。バイアグラの服用は1日1回、25mg~50㎎と決められており、用法・容量を守ることが副作用を予防するためにも重要。
バイアグラの主成分であるシルデナフィルには、血管拡張により血流を改善する作用がある。そのため、同じように服用の際には併用禁忌の薬(飲み合わせの悪い薬)に注意が必要。
硝酸剤あるいは一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を併用することにより、降圧作用が増強して血圧を過度に下降させ、結果的に重篤な症状に陥ることもある。受診の際には、服用中の医薬品について医師に報告することが重要。
飲酒は緊張を解きほぐす効果があり、バイアグラの効き目を促進させる働きがある。ただし、アルコールを摂取することでバイアグラの効果とあいまって過度な血圧低下が起こり、めまいやふらつきなどの副作用を起こす危険がある。
過度の飲酒は、脳からの神経伝達が悪くなり勃起力自体も低下する。バイアグラの効果がなくなる可能性もあるため、特に酒に弱い人は飲酒を控えるべき。
服用は水でなく他の飲料で飲んでも良いが、グレープフルーツジュースと併用すると薬が効き過ぎたり、代謝が遅れたりすることで予期せぬ副作用が発現するリスクがある。
以下に該当する場合は重大な副作用を起こす危険が高いため、バイアグラの服用を避ける必要がある。
硝酸剤、一酸化窒素(NO)供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド、ニコランジル等)を使用中 今までにバイアグラを服用して過敏症(アレルギー)を起こしたことがある 心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる方 重度の肝機能障害のある方 低血圧の患者(血圧<90/50 mmHg)又は治療による管理がなされていない高血圧の患者(安静時収縮期血圧>170 mmHg 又は安静時拡張期血圧>100 mmHg) 脳梗塞・脳出血や心筋梗塞の既往歴が最近 6 ヵ月以内にある方 網膜色素変性症の方 アミオダロン塩酸塩(経口剤)を使用中の方 |
上記の他にも内臓に疾患のある場合は服用に注意が必要となる。初めて使用する場合には医師へ相談することが必要だ。
バイアグラの効き目
バイアグラは、服用後40分~1時間程度で体内に吸収され始め、5時間程度は効果が持続する。顔がほてるなどの症状が現れたら効き目が出てきた合図と言えるだろう。
バイアグラのODフィルムは舌の上に乗せて口の中で溶かすことで唾液のみで服用可能。ただし、水を使用して服用した方が効き目が強く出るとのメーカーのデータもある。
主要成分シルデナフィルの効き目を十分に得るには、性交の1時間前に服用するのがおすすめ。
バイアグラは食事の影響は受けにくいとされているが、空腹時に服用するのが理想的。食後よりも食前に飲むことで最も薬の効き目が現れやすくなるのだ。
どうしても食後に服用したい場合は、脂肪分の多いメニューは控えるべき。バイアグラの有効成分は腸で吸収される。服用前に高脂質の食事をすると腸壁に脂質が張り付き薬の成分が吸収され難くなる。バイアグラが効いてくるまでに余計な時間がかかってしまうのだ。
食事の内容だけでなく量にも注意し、食後の服用であれば2~3時間くらい空ける必要がある。
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