ED治療薬「レビトラ」の成分
レビトラの成分は以下の通り。
有効成分 | ・レビトラ錠5㎎:バルデナフィルとして5㎎(バルデナフィル塩酸塩水和物として5.926mg) ・レビトラ錠10㎎:バルデナフィルとして10㎎(バルデナフィル塩酸塩水和物として11.852mg) ・レビトラ錠20㎎:バルデナフィルとして20㎎(バルデナフィル塩酸塩水和物として23.705mg} |
添加剤 | 結晶セルロース、クロスポビドン、軽質無水ケイ酸、ステアリン酸マグネシウム、ヒプロメロース、マクロゴール400、酸化チタン、黄色三二酸化鉄、三二酸化鉄 |
レビトラは、バイアグラ・シアリスと並ぶ男性勃起不全(ED=Erectile Dysfunction)の三大治療薬、ドイツのバイエル薬品株式会社が開発した先発医薬品である。
レビトラ錠の主成分は、エステラーゼ5(PDE5)を阻害する作用のある「バルデナフィル」。
通常、性的な刺激や興奮を受けると、その情報が脳へ伝わる。結果、一酸化窒素(NO)が増加し、cGMP(環状グアノシン一リン酸)と呼ばれる血管拡張物質が勃起をおこさせる。
勃起が起きる際には、同時にエステラーゼ5(PDE5)による勃起を抑える作用も起きる。このPDE5が多いとEDを引き起こしてしまう。レビトラには、PDE5の作用を抑制して勃起しやすい環境を整える効果があるのだ。
同社製品のレビトラには5㎎・10㎎・20㎎の3タイプがある。バルデナフィル1錠あたりの有効成分量は製品名と同じだが、それぞれバルデナフィル塩酸塩水和物の中に含まれる形となっている。
錠剤の寸法・重量は異なっているが、添加剤の成分は全く同じである。いずれも形状は、円形でオレンジ色のフィルムコート錠であり、中身は白い薬剤である。
主成分のバルデナフィルは水に溶けやすい性質を持つ。水に溶けにくいバイアグラやシアリスよりも「即効性がある」というのがレビトラの最大のメリット。
レビトラ錠は標準的な食事では影響を受けない。ただし、この点については後述するが食事の内容も重要になってくる。
レビトラの購入方法
現在、日本国内でレビトラを購入する方法は主に3つある。
・院内処方 ・オンライン処方 ・ネット購入(個人輸入) |
勃起不全(ED)に悩む人の強い味方と言えばED治療薬となる。その中で即効性がウリのレビトラを購入するのであれば、医師の処方箋がまず必要になる。国が承認している医薬品であっても、医師の指示がないと買えない薬だからだ。
医師の診察を受ける場合、クリニックに来院しなくともオンラインで対応可能な所もある。レビトラを処方してもらった場合、郵便で自宅や最寄りの郵便局まで送ってもらえる。ただし、ED治療薬レビトラの処方をクリニックで処方される場合、5㎎以外の10㎎あるいは20㎎であることがほとんど。
個人輸入でレビトラを購入することも可能。ただし、レビトラを製造販売するバイエル薬品など製薬会社四社合同でインターネットサイトからED治療薬を購入し、薬の真偽を鑑定して化学分析を行った結果、40%が偽造品だったという報告もある。
バイエルのホームページでも輸入ED薬について注意喚起している。
海外から持ち込まれる偽造レビトラ錠は、知的財産権を侵害するものです。偽造品の国内への持ち込みは禁止されているので、もし海外から持ち帰ってしまうと、処罰を受けることもあります。また、海外から不正規ルート(医療機関以外)で入手したレビトラは、偽造品である可能性も高く、思わぬ健康被害も予想されます。
(引用:バイエル薬品 EDネットクリニック.com「 レビトラ錠のニセモノは日本へ持ち込むことも禁止されています。」)
海外から購入したレビトラが偽物であることを知らずに持ち込んだ場合でも法律に触れることになる。
レビトラの国内・国外ジェネリック
レビトラには国内で認可されているジェネリックが存在している。
製薬会社 | 製品名 |
沢井製薬 | バルデナフィル錠10mg「サワイ」 バルデナフィル錠20mg「サワイ」 |
東和薬品 | バルデナフィル錠10mg「トーワ」 バルデナフィル錠20mg「トーワ」 |
レビトラのジェネリックは、特許期間中に効果が立証され、かつ安全に使用できることが確認された先発医薬品と同じ成分である。形状についてはそれぞれ先発薬と大きく異なっていて、沢井製薬の方はオレンジ色の楕円、東和薬品は薄い黄色の丸い錠剤となっている。
どちらの会社の製品も2020年7月に販売が開始されたもので、それぞれに真ん中に割り線が入れられている点では先発薬との共通の違いとなっている。体質に合わせ1錠を半分にして服用する際に容易に割ることが可能。
個人輸入で海外製のレビトラジェネリックを購入する方法もある。ただし、偽物を販売している通販会社も多く、本物であっても価格に大きな違いがないことや海外発送であるため時間がかかることを考えると、利用のメリットは少ないと言える。
国内のED専門クリニックにおいても、海外から個人輸入したレビトラジェネリックを「正規流通経路でのレビトラジェネリック」と記して処方しているケースもあるため注意が必要。国内正規流通する厚労省認可のバイエル社のレビトラによく似た形状の非正規品の服用は避けるべきだ。思わぬ健康被害を起こす可能性もある。
レビトラ通販の注意点
純正のレビトラや国内製品のレビトラジェネリックを国内の通販サイトで購入することはできない。他のED治療薬と同様、医師の処方箋が必要な医薬品であるからだ。
個人輸入であれば代行サイトを利用して通販することが可能。ただし、国内承認済みのED治療薬よりも安価で手に入る代わりに、偽物や不純物の混入により体に大きな影響を及ぼす可能性が高い。
オンライン上の安全な商取引を監視する「レジットスクリプト」でも、ED治療薬の海外輸入について注意を促している。
無規制の医薬品を売るサイバー犯罪者にとって、日本はアメリカに続き、世界で第2位の標的となっています。世界の約10%の不正インターネット薬局ウェブサイトは日本語であり、その他75%は日本語ではありませんが、他の国と共に日本に向けても配送を行っています。日本をはじめ、世界中で違法に販売された未承認医薬品によって、死亡した例や重体になった例が報告されています。
(レジットスクリプト「レジットスクリプトの調査書:違法医薬品販売ウェブサイトとGMOインターネットの関係について」)
レビトラの作用と副作用
PDE5 阻害作用のある勃起不全治療薬のバルデナフィル(レビトラ®錠)には以下のような副作用が報告されている。
副作用の症状 | 発言症例率 |
頭痛 | 8.43% |
潮紅 | 6.10% |
ほてり | 1.89% |
消化不良 | 2.10% |
浮動性めまい | 1.16% |
末梢性浮腫 | 1.2% |
鼻閉(鼻づまり) | 3.02% |
上記の他にも様々な副作用があるため、一通り確認しておくと良いだろう。
医師の指示に従い正しく服用していても副作用が出現することはあるため、あらかじめ確認してから使う必要がある。
レビトラは、血管を拡張し血流を促進する効用があるため、同じように血流を改善する働きのある硝酸剤・一酸化窒素供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)などの狭心症薬は併用禁止となっている。どちらの薬にも血圧低下の作用があるからだ。
ノービア錠、スタリビルド配合錠などのHIV治療薬、イトラコナゾール錠などの水虫治療薬などの他、不整脈治療薬との併用も禁止となっている。レビトラの血中濃度が高くなったり、心臓の機能に異常をきたすこともあるからだ。
レビトラ服用により血管が拡張されるが、飲酒によって摂取したアルコールが一気に回りめまいやふらつきなどの副作用を起こす危険がある。過度の飲酒は、脳からの神経伝達が悪くなり勃起力自体低下する。さらにはレビトラの効果が無くなる場合もある。
服用は水でなく他の飲料で飲んでも良いが、グレープフルーツジュースと併用すると薬が効き過ぎたり、代謝が遅れたりすることで予期せぬ副作用を生じる可能性もある。
以下に該当する場合は重大な副作用を起こす危険が高いため、レビトラの服用を避ける必要がある。
・硝酸剤を使用中 ・今までにレビトラ錠を服用して過敏症(アレルギー)を起こしたことがある ・心血管系障害などにより医師から性行為を控えるように言われた方 ・先天的に不整脈(QT延長症候群)がある方や、現在、抗不整脈薬を使用中の方 ・最近6ヵ月以内に脳梗塞・脳出血や心筋梗塞を起こした方 ・重い肝障害のある方 ・血液透析が必要な腎障害のある方 ・低血圧の方(最大血圧が90mmHg未満または最小血圧が50mmHg未満の方) ・コントロール不良の高血圧の方(最大血圧が170mmHg以上または最小血圧が100mmHg以上の方) ・不安定狭心症の方 ・網膜色素変性症(進行性の夜盲、視野狭窄)の方 ・抗ウイルス薬(HIV治療薬)、抗真菌薬(内服)を使用中の方 ・女性のや未成年(既婚者以外)の方 |
上記の他にも内臓に疾患のある場合は服用に注意が必要となる。初めて使用する場合には医師へ相談することが必要だ。
レビトラの効き目
レビトラの効き目はあくまでも目安となるが、製薬メーカーの添付文書によれば臨床結果で30~60分というデータが報告されている。服用後、血中濃度が最高に達するまでの時間は、空腹時で早くて20分程度。
食事の影響を受けにくいとされているが、「標準的な食事=700kcal」というのがバイエルも推奨する食事のカロリーとなっている。食事の内容は油分の少ないあっさりした料理、腹7分の量が理想的。
食後でもレビトラの効果を十分に発揮させるためには、食後2~3時間くらい空けて服用するのがおすすめ。
レビトラの作用時間は、10mgで5時間程度、20mgで7~9時間程度。1日1回、服用間隔は24時間であるため、用法・容量を守って使用することが大事。
レビトラの価格
国内で処方されるレビトラ、レビトラのジェネリックの価格相場は以下のようになっている。
製薬会社 | 製品名・容量 | 1錠当たりの価格 |
バイエル薬品 (先発) | レビトラ 10mg レビトラ 20mg | 1,500円 1,800円 |
東和薬品 (ジェネリック) | バルデナフィル錠10mg「トーワ」 バルデナフィル錠20mg「トーワ」 | 1,400円 1,600円 |
沢井製薬(株) (ジェネリック) | バルデナフィル錠10mg「サワイ」 バルデナフィル錠20mg「サワイ」 | 1,400円 1,600円 |
toLife Pensa(ポルトガル) (ジェネリック) | バルデナフィル20㎎ | 979円 |
先発医薬品のレビトラを医師に処方してもらう場合、1,400円~1,600円程度の費用が必要。ジェネリックであれば、東和薬品・沢井製薬ともに先発薬より1錠あたり200円ほど安く購入できる。
レビトラの代金だけでなく、診察料がかかる場合もある。保険適用外の自由診療であるため、ある程度の費用は必要となる。
海外製のレビトラのジェネリックであれば、国内承認済みのジェネリックよりも大幅に低価格で購入可能となる。ただし、国内未承認薬であることから、品質や安全性の保証はない。海外製品の7割は偽物であると理解しておく必要がある。
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